ここまでのおさらい
さて、前回の事件の続きです。
詳細は前の記事を読んでいただければ思いますが、簡単にまとめると、大好きなChris Robinson Brotherhood(以下CRB)のメンバーとMEET&GREETできるVIPチケットを買ってライブに行ったのに、チケット会社の手違いでMEET&GREETできなかった、というお話です。
ライブ自体は最高で、大満足で家に帰ったんですが、やはり翌朝になるとChrisたちに会いたかったなーという思いが湧き上がってきました。
何気なしにCRBの公式インスタを見ながら昨夜のライブの余韻に浸っていると、ふと妙案が浮かんできました。
事件の解決策
CRBのツアーはまだ続いていました。
改めてツアースケジュールを見返すと12/11(火)に同じカリフォルニア州のサンタバーバラ(Santa Barbara)というところでライブがあることに気がつきました。
普段は仕事をしている火曜日ですが、この日は偶然にも休み。そして調べてみるとサンタバーバラは住んでいるところから車で2時間ぐらいで行ける距離の模様。
これだ!
そう思った私はすぐさま拙い英語力を最大限に動員し、テキストメッセージを作成します。
送信先はツアーマネージャーのアンソニー(仮名)。
そう、チケット会社に問い合わせるためにメールのスクリーンショットを送ってくれ、と番号を教えてもらっていたのです。
やっぱりChrisたちに会いたいので、サンタバーバラまでまたライブを観に行ったら会わせてくれませんか、とめちゃくちゃ丁寧にお願いしました。
すると10分も経たないうちに、返信が!
もちろんいいよー!
17時45分までに来てねー。
あ、特典グッズはこの前渡したからもうあげられないよー。
YES!
思いが通じた! 諦めずによく交渉した、偉いぞ自分!
サンタバーバラについて
ライブ当日、せっかくなのでサンタバーバラを観光しようと思い、お昼すぎには着くように出発。
ベンチュラを越えた辺りからずっと海岸線を走るルートで、太平洋がめっちゃ綺麗に見えました。このドライブだけでもなかなか楽しかったです。
サンタバーバラに着いてからは、ぶらりと街を散策。サンタバーバラはワイナリーが多く、カリフォルニアワインの産地として有名とのことですが、さすがにワイナリー巡りをしている余裕はありませんでした。
しかし、街並みは綺麗だし、ビーチから見える太平洋は最高だし、夕日が沈むにつれ赤く染まる山々は壮観だし、こんなところに住んでみたいなーと思うには十分な時間でした。
念願のMEET&GREET
いよいよ時間が近づき、ライブ会場であるLobero Theatreへ。
歴史を感じさせつつも古臭くない、なんともいい雰囲気。
外で待っているとリハーサルの音が漏れてきて興奮が高まります。
約束の時間を少し過ぎてから、VIPメンバーだけの入場が始まります。予想通り、入場の際に少し手こずりました。当然ながらリストに私の名前が載っていないので、会場スタッフが困惑の表情を浮かべます。
ここでもまた拙い英語をフル稼働させ、事情を説明。アンソニー(仮名)に言えばわかるから、と言っているのになかなかアンソニー(仮名)に確認しに行かないスタッフ。ようやくアンソニー(仮名)が近くに来たので確認してもらうとスッと通してくれました。
そしていよいよMEET&GREETの時間。
メンバー全員が横並びになって私たちを待っていました。
ワクワクが止まらない私。
しかし、ここでまた問題が発生。
先に並んでいる人たちを見ると、みんな自分のカメラや携帯ではなく、スタッフが持っているカメラで撮影をしてもらっています。
近くにいたアンソニー(仮名)に聞いてみると、どうもイベント会社から後でデータをもらう形式みたいですが、私は本来この日のリストに載っていない人間のため、データがもらえない可能性が高いことがわかりました。
じゃあ、自分の携帯で撮ってもらえないか? あたふたしながらそう伝えようととしていると、後ろに並んでいた女性が私が撮ってあげるよ、と手を挙げてくれました。なんと優しい。感謝感謝。
そんなこんなで撮ってもらったのがこの写真。
みんなの目線が揃っていないのはそういうことです。スタッフのカメラと自分の携帯と、どっちを見ていいか、私もメンバーもよくわからない感じになってました(笑)
それでも嬉しかった。ありがとう、メアリ(仮名)!
写真を撮る前にはメンバーとお喋りする時間も少しありました。本当はLAでMEET&GREETする予定だったのに、いろいろあって出来ず、でもやっぱり会いたかったからここまで来たこと、去年日本に住んでいたときにわざわざCRBを観にアメリカまで行ったこと、などを話しました。
みんな喜んでくれました。
なぜかEsperanza Spaldingのときほど緊張せず、ちゃんと伝えたいことを伝えられて良かったです。
憧れのChrisたちに会え、すでに満腹状態の私に、この後予想だにしない展開が待ち受けていました。
予想外の奇跡
一旦会場の外に出させられ、一般の開場を待っていると、VIPの列にいたひとりの男性が声をかけてくれました。私もおや、と思っていたのですが、やはりその人も日本人でした。東京から来たというヨシキさん(仮名)。この日だけではなく、その後に続くサンフランシスコのFillmoreでの3daysや他のバンドのライブも観に来ているとのことで、いろいろと話が弾みました。
私もここに来ることになった経緯などを話しているとアンソニー(仮名)がふらっと私たちの元にやってきました。
そして私にこんな提案をしてきました。
ステージ横からライブを観てみない?
はい⁈
実は今回のVIPパッケージ、2つのグレードがありまして、通常のMEET&GREETパッケージに加えて、ステージ横からライブが観られる権利がついたMagik Carpet VIPパッケージなる上級パッケージがありました。MEET&GREETパッケージより更に100ドルほど高いので、私は諦めていたのですが、ヨシキさん(仮名)はどうやらそのMagik Carpet VIPパッケージを購入していたようです。
そしてどういうわけかよく知りませんが、ヨシキさん(仮名)はそのステージ横で観る権利を放棄していたらしいのです。
そこでアンソニー(仮名)はどうせ放棄するならこの子にあげたらどう?と提案してくれたわけです。
断る理由がありません。
ヨシキさん(仮名)とアンソニー(仮名)に何度も何度もお礼を言い、いざステージ横へ。
一緒にいたのはなんと先ほど写真を撮ってくれたメアリ(仮名)とその旦那さん。
たまにドラムスのTony Leoneがこっちを見てニコッとしてくれたり、キーボードのAdam MacDougallの手元がよく見え、客席からではよくわからなかったキーボードの使い分けが確認できたり、もう最高の時間でした。
はじめの数曲だけでしたが、またとない貴重な経験ができ、本当に嬉しかったです。
その後は客席に戻って鑑賞。The Black Crowesのときからそうですが、同じツアー中でもセットリストは毎日ガラッと変わるCRB。何度観ても飽きません。
アンコールではThe Rolling Stonesの名曲「Sweet Virginia」をカヴァー。カリフォルニアワインの名産地とのことでちょっと期待していましたが、本当に演ってくれるとは…ちょっと泣きそうになりました。
“Thank you for your wine, California〜♪”のところでは案の定めちゃくちゃ盛り上がりました。
禍転じて福となすとはこのこと。
拙い英語でなんとか事情を説明したり、交渉したり、諦めずに頑張った甲斐がありました。
自分で自分を褒めてやりたい。
そして、アンソニー(仮名)やヨシキさん(仮名)やメアリ(仮名)に改めて感謝したい。本当にありがとうございました!