12月8日、John Lennonの命日にChris Robinson Brotherhoodのライブを観に行ってきました。ちょっとした事件があったんですが、それでもとても素晴らしいライブでした。なんといってもChris Robinsonは私にとって特別な存在。去年日本からわざわざアメリカまでライブを観に行ったぐらいですから…
Chris Robinson Brotherhoodについて
まずはChris Robinson Brotherhood(以下CRB)の紹介から。
バンド名から推察できる通り、ヴォーカルのChris Robinsonが中心となって2011年に結成されたバンドです。
このChris RobinsonはThe Black Crowes(以下TBC)のメンバーとして有名ですが、TBCの活動休止に際して結成されたのがCRBというわけです。
TBCでは基本的にツインギター編成だったため、ほとんどヴォーカルに専念していたChrisですが、CRBではギタリストがNeal Casal1人ということもあり、ギターを弾きながら歌うことが多くなっています。
CRBは2018年12月の時点で6枚のスタジオアルバムと4枚のライブアルバムを発表しています。
バンドの特徴としてはTBCと比較してハードロック色が薄まり、Grateful Dead系統のサイケデリックでルーズな印象が強くなった感じ。
Chrisの弟でTBCのギタリストであるRich Robinsonが結成したThe Magpie Saluteがハードロック色が濃く、タイトでソリッドな作品を出してきたのと対照的で興味深いなと思っています。
ジャムセッションを好み、一曲一曲の時間が長いのも特徴。特にライブでは一曲に10分、15分以上かけることもザラにあります。
Chris Robinson Brotherhoodと私
冒頭にChrisは特別な存在と書きましたが、何を隠そう、私の一番好きなバンドは15歳の頃から約15年間ずっと変わらずThe Black Crowesなのです。
ハードロック、ヘヴィーメタルに熱狂していた中学時代、ブルーズ、ジャズにも興味を持ち始めた高校時代、ジャズ、ファンクにハマっていった大学時代、ヒップホップにも手をつけ、もうジャンルも国籍もどうでもよくなっている現在。好きなアーティストは増え続け、2位以下はころころと変わり続けている中、1位のTBCだけは15歳の頃からずっと不動なんです。
TBCは2015年に解散を発表しており、ずっと再結成を信じているんですが、なかなか叶わない状況。一度も一番好きなバンドを観ることができていない私にとって、このChris Robinson Brotherhoodと前述のThe Magpie Saluteはそのエッセンスを持っている特別な存在なわけです。
ずっと日本に来るのを待っていたんですが、一向に来る気配がないので、我慢しきれず昨年2017年の11月にアメリカまで観に行きました。
当時勤めていた会社で1週間の休みが取れたので、その週のツアースケジュールを確認し、それに合わせて旅程を組みました。
グランドラピッズでCRBを、デトロイトでKamasi Washingtonを、そしてニューヨークでThe Magpie Saluteを観ました。
実はそれが初めての海外旅行だったんですが、自由の女神とかそういった観光名所はほとんど見ずに、「ライブを観る」ということを主目的にした旅行でした。
なにが言いたいかというと、結局のところ、The Black Crowesは、Chris Robinsonは、私にとってそれだけ特別な存在だと言うことです。
ちょっとした事件について
これまた冒頭にて軽く触れましたが、今回ちょっとした事件が起こりました。
実は今回普通のチケットの他にVIPパッケージなるものが発売されていました。サイン入りのグッズが手に入ったり、早めに会場入り出来たりといった特典付きのチケットですが、なんといっても最大の目玉はメンバーとのMEET & GREETの権利を得られること!
ずっと憧れていたChrisに会える! こんなチャンスを逃す手はない! というわけで通常のチケットより100ドル近く高いものの、奮発してこのVIPパッケージを購入しました。
しかし、購入確認のメールは来たものの、その後にアプリに送られてきたチケットをよく見ると通常の入場チケットのことしか書かれていない。VIPパッケージについては別途メールが送られてくるのかな?と思って待っていてもなかなか来ない。
集合時間もなにもわからないので、これはいけないと思い、チケット会社にメールで問い合わせ。丁寧に対応してくれ、再度メールを送ってくれました。
そのメールに書いてあった集合時間19時45分に間に合うよう、しっかりと19時30分には到着。
なにを話そうかなーとイメトレをしながら時間がくるのを待ちます。
メールに書かれていた入場時間の20時になっても声がかからないので、受付に確認しにいくと、どうぞ入ってと言われますがなにかおかしい。ここでVIP証をもらうはずなのに渡されていない。でも中にいる人たちはVIP証をぶら下げている…
不安になりVIP証をぶら下げている人に聞いてみたところ、3人目にしてようやく「あそこにいるアンソニー(仮名)から貰ったよ」という有力情報を手に入れ、いざアンソニー(仮)の元へ。
そこでアンソニー(仮)の口から衝撃的な事実を知らされます。
MEET & GREETはもう終わったよ。
19時集合ってメール来てなかった?
とりあえず特典のグッズだけはあげるね。
おい。話が違うぞ。
パニクりながらも拙い英語で必死に事情を説明する私。購入確認のメールとチケット会社から送られてきたメールを見せるとアンソニー(仮)は少し険しい表情を見せ、OKわかった。このメールのスクリーンショットを送ってくれないか? 私のほうからイベント会社になんとか出来ないか聞いてみるよ、と言って連絡先を教えてくれました。
気さくにそして親切に対応してくれたアンソニー(仮)はツアーマネージャーとのことでした。
結局MEET & GREETは出来ぬまま、ライブ開始時間に。しかし、このモヤモヤをひきづってライブを楽しめないのはもっともったいない!と思い、ひとまず事件のことは忘れることに。
ライブについて
CRBのライブは基本的に二部構成です。
知らずに見た去年は少しビックリしましたが、1時間ぐらい演ったら一旦休憩が入り、また戻ってきて1時間ぐらい演る、という感じです。
相変わらずゆったりとリラックスした感じでご機嫌なロックンロールを聞かせてくれるCRB。今回の発見はベースのJeff Hill。派手なテクニックを駆使するわけではないものの、本当に上手い。意識しないと気付かないような地味な感じながら、絶妙にラインを動かすことでウネリを生み出していました。理想的なベーシスト。
そして、Nealのギターソロはついつい表情を崩してしまう恍惚のサウンド。綺麗な音を鳴らします。
あまりに心地良くてずっと笑っていたら、見知らぬ女の人から、あなたの笑顔すっごくステキだわ!と褒められました(笑)
憧れのChrisはTBC後期の頃から変わらない声を聞かせてくれました。TBCの頃から何度も何度も聴いてきた特徴的なシャウトが飛び出したときは思わず泣きそうになりました。
John Lennonの命日ということもあり、The BeatlesやJohnの曲をカヴァーするかな、と期待していましたが、今回はありませんでした。
こうやって生でライブが観られるだけでも幸せなことだ。Chrisに会って話をするなんてまだまだ早すぎたのだ。またいつか会えるはず…そう思いながら大満足で会場を後にしたのは夜中の24時30分過ぎ。何時までやってんねん(笑)
さて、実は今回の事件については後日談があります。それはまた次の記事にて。
ピンバック: Chris Robinson Brotherhood @ Lobero Theatre Dec. 11th 2018 | Joyful Noise